読了メモ『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』
イケハヤさんが地元の鳥取県に来ていたそうで!
行き先は智頭町!
智頭町というと杉の名産地で四方八方が山、な場所です。
そんな町で今話題を集めているのがパン屋「タルマーリー」。
こちらのパン屋何がすごいって、菌を自分で作っているところ!
市販のイーストは一切使用しない、という姿勢。
やはり知っている人は知っているんでしょうか?
Facebookのいいね数は1万を超えているあたり、地元民はあんな山奥からすごいな
と単純に思ってしまいます。
そんなタルマーリーを経営されている渡邉夫妻。
ご主人さんが以前書かれた本があります。
イケハヤさんの記事を見て、久しぶりに読んでみました。
搾取する資本家と搾取される労働者
話はパン職人としての生い立ちとともに、マルクスの「資本論」をベースに現代の資本主義市場を説明しています。
そこで問題視されるのが資本家と労働者の関係性。
労働という商品を資本家に提供する以上、労働者は搾取される一方。
自然の循環を無視した非人間的な行為がまかり通ってしまうのです。
皮肉なのは、資本論第一部が発表されてから約150年経つというのに、今の日本の状況はこれと同じなんじゃない?という点。
世の流れが急速に変わっていることに気づかず、稼ぎどころを変えようとしない。
その結果、労働者はレッドオーシャンな市場へ投入され続け疲弊する。
なんだか退職前の自分を見ているようでゾッとします。
地域通貨のようなパンを
タルマーリーは近隣で採れた野菜や信頼できる素材を厳選して使い、無駄に安売りすることはせず、「適正に」高く売ることを実践しています。
つくって売れば売るほど、地域の経済か活性化し、地域で暮らす人が豊かになり、地域の自然と環境が生態系の豊かさと多様性を取り戻していくパンーーー。
僕らは、地域通貨の発想を、パン屋なりにアレンジして発展させ、「利潤」ではなく、「循環」と「発酵」に焦点を当てた、「腐る経済」に挑んでいる。
前職で感じていたのは、稼げば稼ぐほど良いのか?という疑問。
お客さんを金ヅルとしてしか見られなくなってしまったのです。
自分なりに考えた結果、稼ぐことを悪だと感じてしまうのは「もらったお金は自分のものだ」という消費目線の考え方のせいだと気づきました。
単なる「消費」に費やすのではなく、これにならお金を払いたいと思えるものに「投資」していけばいいんだ。
そうしたら自分にとってもプラスだし、相手にとってもプラス。
こうやって「循環」させるために稼ぐのであれば、稼ぐことは悪くないなあと思うようになりました。
最初から最後まで中身のぎっしり詰まったこちらの本。
気になった方は是非一度、お店まで行ってみてください。